トンネルの中では、地下水などによって水滴が発生し、車両に落ちてくることがあります。また、他の鉄道と相互直通運転をおこなっている路線では、地上を走る区間も長くなります。こうした理由から、地下鉄の車両でもワイパーが必要なのです。
①トンネルの水滴対策
トンネルの中では、地下水によって水滴が発生することがあり、それが運転席の窓に落ちてきたときに、すばやく視界を確保することができます。②車両基地までの移動や洗車
電車を整備したり洗車したりする「車両基地」が地上にある場合は、屋外を走ることもあるのでワイパーが必要です。 また洗車の後、車両を移動するのにすばやく視界を確保する必要があります。福岡市地下鉄 七隈線 橋本車両工場の洗浄線
(提供:福岡市交通局)
③走行中のホコリや虫の除去
その他にも地下を走っていると小さなホコリもつけば、小さな虫もぶつかってきます。こうした汚れをすばやく取り除くためにも、ワイパーが必要です。地上走行区間がある路線の車両(例)
他の鉄道と相互直通運転をしている車両では、地上走行区間が長いため、雨や雪に備えた「ワイパー」は必須設備です。
神戸市営地下鉄 西神・山手線 3000形
(提供:神戸市交通局)
地下だけを走る路線の車両(例)
全区間地下を走る路線は、東京都交通局大江戸線、大阪市営地下鉄四つ橋線・千日前線・長堀鶴見緑地線・今里筋線、名古屋市営地下鉄名城線・名港線・桜通線、札幌市営地下鉄東豊線、神戸市営地下鉄海岸線などです。こうした路線の電車にもすべて、「ワイパー」がついています。
大阪市営地下鉄 長堀鶴見緑地線 70系
(提供:大阪市交通局)
東京都営地下鉄 大江戸線 12-600形
平成27年4月導入の新車両(提供:東京都交通局)
名古屋市営地下鉄 桜通線 6000形
(提供:名古屋市交通局)