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上海(SHANGHAI)


中華人民共和国
People's Republic of China

人口●13億9378万人
面積●959万6961km2
主要言語●中国語
通貨●元
1元=18.87円
1人当たりGNI●5720ドル

アジア大陸の中央部から東部にかけて広がる国家で、世界最大の人口を有する人民共和国。熱帯から冷帯気候まで、内陸の高山、砂漠気候までと変化に富んだ気 候を有する。中華と「世界の中心」を自称した。近年、豊富で安価な労働力を背景に工業も発展を遂げた。しかし、一方では、都市と農村の経済格差の解消など の課題も指摘されている。

上海 Shanghai

揚子江河口の港湾、商工業都市で、工業、商業、金融、貿易、科学技術が発展した人口1358万人(2012)の都市で中央直轄市でもある。河口デルタに開けた都市のため地勢は平坦で、平均標高4mの沖積平野にある。国内31の省、市、自治区の中で最も人口密度が高く、東京23区の面積より狭い外郭環状道路内の中心市街地には、約800万人の常住人口に加え農村部からの300万人とも言われる未登録人口が暮らすといわれる。また、中国で最も西洋化された都市といえる。繁華街の南京路を中心に人民公園、黄浦公園、上海博物館、大世界、龍華寺などの名勝地がある。

営業主体

上海申通地鉄集団有限公司
Shanghai Shentong Metro Group Co.,Ltd.(SMC) URL:http://www.shmetro.com

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

上海は世界有数の人口密集都市であるが、市の中心部を南北に貫く地下鉄1号線が徐家匯〜錦江楽園間6.6kmで部分開業したのは1993年4月のことであるから、地下鉄の整備はかなり遅いといえる。その後、東西に走る地下鉄2号線が中山公園〜竜陽路間15.6kmで1999年10月に開業、高架の3号線(明珠線)第1期区間(上海南站〜江湾鎮で4号線環状部の西半分)が2000年12月に開業した。
以降の開通状況を見てみると、2003年に1号線南端からさらに郊外に延びるライトレール路線(SMR)として5号線が、2005年には4号線の環状部分が開通し、上海申通地鉄集団有限公司の名にあるように、環状線を南北と東西の両線で貫く「申」の字形の路線が開通した。その後も2007年12月に6・8・9 号線、2009年12月には7・11号線が相次いで開通するなど、都市鉄道網の整備が急速に進められ、2010年の上海万博開催に向けてその速度が加速されると10 号線が開業、そして2011年以降は12・13・16号線が相次いで開業した。
現在、上海地下鉄の総延長は548kmに達しており、開業して約20年で、世界最長の路線網を持つ都市となった。地下鉄が都市郊外鉄道としての性格も持ち合わせることから、日本と比べ1路線当たりの路線長が長いこと(最長は11号線の約70km)も総延長が長い要因となっている。
従来、上海の地下鉄は、上海地鉄総公司により建設と運営が行われてきたが、軌道系都市交通システムの整備手法を見直すとともにその整備を加速するため、上海市の軌道系交通プロジェクトを一元的に担う上海申通地鉄集団有限公司が2000年4月に設立された。この会社は、資金調達からインフラの建設、完成後はその資産を保有し運営する権限を持っている。同公司は建設を上海地鉄建設有限公司(Shanghai Metro Construction Corporation: SMCC)に、運営を上海地鉄運営有限公司(Shanghai MetroCorporation: SMC)にそれぞれ委託しており、地下鉄の各路線は、いずれも上海地鉄運営有限公司が運営している。なお、ライトレールである5・6号線は当初別会社である上海現代軌道交通股分有限公司の経営であったが、2008年に申通地鉄に吸収された。
近年の路線の開業、延伸状況をみると、2号線は、2010年の延伸によって浦東国際空港と虹橋国際空港を結ぶようになり、また上海の繁華街である南京路の最寄り駅である人民広場駅や、浦東地区の金融街の最寄り駅である陸家嘴駅などを通る幹線路線である。ただし、浦東国際空港方面は途中の広蘭路駅での乗換が必要となっている。
13号線は、万博開催期間中の2010年4月から10月の間に会場内の輸送機関として世博大道と馬当路間が部分先行開業したが、当該区間は同線の第2期延伸工事のため一旦閉鎖され、2012年12月末に別区間である市北西部の金運路~長寿路間が第1期開業として開業した。
2013年1月に開業した16号線は、当初11号線の南部延伸区間に位置付けられ、また計画時は21号線とされており、11号線とは別の路線として第三軌条方式で整備が行われた。上海市東部の新規開発地区である浦東地区にある磁気浮上式リニアの始発駅でもある竜陽路駅から南部の滴水湖駅までの延長は59km あり、駅数は13となっている。開業当初は中国国内で初となる地下鉄線での快速運転を行っていたものの、通過駅の利用者が想定以上に多かったことから2014年1月に快速運転を取りやめた。
上海市のマスタープランによると、2020年には地下鉄、高架鉄道、地域急行線を組み合わせた計22 路線、総延長877kmに及ぶ路線網が計画されている。


8号線車両
提供/磯部栄介


虹橋・浦東両国際空港を直結する2号線(遠東大道駅)
提供/岡崎利生


3号線(宝山路駅)
提供/岡崎利生

データ

開通年1993年4月 軌間1435mm
営業キロ548.0km電気方式直流1500V
路線数13 集電方式架空線(16号線は第三軌条)
駅数328 運転保安ATC/ATO/ATS
運行時間4:55~23:33 最小運転間隔3分45秒
運賃制度距離制 列車運転線路右側
輸送人員775万人/日(2014)   

利用方法

運賃

距離制(3〜15元)

乗車券

ICカード(上海公共交通卡)等

旅客案内

中国語及び英語。現地の上海語での案内はない

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄ビジュアルガイドブック」より

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