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ソウル(SEOUL)


大韓民国
Republic of Korea

人口●4951万人
面積●9万9720km2
主要言語●韓国語
通貨●ウォン
1ウォン=0.10円
1人当たりGNI●2万2670ドル

北緯38度線以南の朝鮮半島南部に位置する共和国。温帯モンスーン地域の広葉樹林帯にあり、気温は、夏冬の差が大きい。古代から日本、中国との関係が深く、倭人とは朝鮮半島南部から日本にかけて居住していたとの説もある。古代伽耶韓国以来「偉大な」の意味を持つ韓を国名として使用している。

ソウル Seoul

人口1004万人(2011)のソウルは、百済・高麗の時代から栄え、李氏朝鮮の開祖李成桂が風水上の吉地として都を置いて以来、首都として、韓国における政治、経済、文化の中心地となった。繊維、化学、機械などの工業が盛んで、外港である仁川とは鉄道、高速道路で結ばれている。李王朝時代の5つの門や城壁、王宮、寺院など壮麗な宮殿や史跡が現在も保存され、ソウルで最も重要な観光資源となっている。明洞、南大門や東大門市場等での買い物も観光客に人気が高い。1988年のオリンピック開催で急速に近代都市に生まれ変わった。

営業主体

Seoul Metro
URL : http://www.seoulmetro.co.kr/

Seoul Metropolitan Rapid Transit Corporation(SMRTC)
URL : http://www.smrt.co.kr/

Seoul Line 9 Operation Co., Ltd.
URL : http://www.metro9.co.kr/

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

ソウル市は東西に流れる漢江を中心とする都市である。
ソウルの地下鉄は、その路線の整備時期により3期に分けられる。まず、第1期の路線は、ソウルメトロ(旧ソウル特別市地下鉄公社)によって運営される1〜4号線である。1974年、市の中心部に位置する韓国鉄道京釜線のソウル駅と中央線の清涼里駅を東西に結ぶ目的で1号線7.8kmが開業したのが、ソウルの地下鉄の始まりである。さらに、環状線である2号線、ソウル市をX字状に縦断する3・4号線の建設が進められた。第1期の地下鉄は、相互直通運転を行う韓国鉄道におおむね準ずる規格を採用している。直流1500V電化の地下鉄に対し韓国鉄道は交流25kVであるため、相互直通の接続部に無電区間を設けて交直切替を行っている。
この1号線用の車両として、1974年に日立製作所製1000型が導入されたが、以降は技術移転により韓国で製造された車両が順次投入されるようになった。
第2期は、経営に競争原理を導入することとして設立されたソウル特別市都市鉄道公社(SMRTC)によって運営される5〜8号線である。第1期の地下鉄で残された鉄道空白地域を埋めるように、1994年11月、5号線の往十里〜上一洞間15.5 kmを皮切りに、2001年3月の6号線、梨泰院〜薬水間2.7kmの開業をもって現在の路線網が形成された。第2期の地下鉄は、第1期とは異なり相互直通運転を考慮せず、その代りにATO制御によるワンマン運転方式を採用している。
これらに続く第3期地下鉄としての9号線は、開花〜新論峴間の第1段階25.5kmが2009年7月に、総合運動場までの4.5kmが2015年3月に開業した。引き続き、報勲病院までの9.1kmの延伸工事が進められている。この9号線は、ソウルメトロ9号線(株)が、ソウル市から30年間、施設の譲渡を受けて管理・運営を行うBTO方式をとっており、Veolia Transport 社が主要株主である9号線運営(株)が、ソウルメトロ9号線(株)から委託を受けて運営を行っている。
なお、ソウル市は、ソウルメトロとSMRTC の2つの経営主体を2016年に統合する計画を発表している。
ソウル市では、交通カードを利用することにより、ソウル市の統合運賃制に参加する事業体(ソウルの各地下鉄事業者及び韓国鉄道が参加済み。空港鉄道は参加せず)にまたがって乗車する場合に、乗・降車駅間の距離の合計で運賃が算出される制度を採用している。


交通カード(T-money)
85×54mm


環状の2号線を走るチョッパ制御車両
提供/磯部栄介


ソウル地下鉄標準型のステンレス製車両
提供/磯部栄介

データ

Seoul Metro

開通年1974年8月 軌間1435mm
営業キロ137.8km電気方式直流1500V
路線数4 集電方式架空線
駅数120 運転保安ATS/ATC
運行時間5:30~1:00 最小運転間隔2分30秒
運賃制度ゾーン制 列車運転線路左側(1号線)右側(1号線以外)
輸送人員400万人/日(2012)   

SMRTC

開通年1995年11月 軌間1435mm
営業キロ152.0km電気方式直流1500V
路線数4 集電方式架空線
駅数148 運転保安ATC/ATO
運行時間5:00~1:00 最小運転間隔2分50秒
運賃制度距離制 列車運転線路右側
輸送人員270万人/日(2012)   

Metro9

開通年2009年7月 軌間1435mm
営業キロ31.7km 電気方式直流1500V
路線数1 集電方式架空線
駅数30 運転保安ATO
運行時間5:30~1:00 最小運転間隔4分30秒
運賃制度距離制 列車運転線路右側
輸送人員25万人/日(2012)   

利用方法

運賃

距離制(1250ウォン〜)

乗車券

1回用交通カード、交通カード(T-money)等

旅客案内

韓国語及び英語。路線ごとにシンボルカラーがあり、乗り換え駅では中国語と日本語による車内放送もある

その他

9号線は終日にわたり待避線を用いた急行運転を行っている(20分間隔)

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄ビジュアルガイドブック」より

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