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メキシコシティー (MEXICO CITY)


メキシコ
United Mexican States

人口●1億2380万人
面積●196万4375km2
主要言語●スペイン語
通貨●メキシコ・ペソ
1メキシコ・ペソ=7.15円
1人当たりGNI●9640ドル

北アメリカ南部に位置し、日本の約5倍の面積の高原状の国土を持つ合衆国。亜熱帯から温帯にまたがり、西海岸と高原上では乾燥地帯、東海岸では熱帯雨林となっている。住民の多くは、スペイン人とインディオの混血である。南部はかつてのアステカ文明の地であり、守護神「メヒクトリ(選ばれた者)」が国名となる。19世紀、フランス革命の余波を受けたスペイン本国の混乱に乗じて独立戦争により成立した。

メキシコシティ Mexico City

人口885万人(2010)、都市地域を含むと2200万人といわれる世界最大級の人口を擁する街である。アステカの高原の湖上に浮かぶ都市テノチティトランをスペイン人の征服者コルテスが破壊し、瓦礫で湖を埋めて建設された街である。埋め立てによる軟弱地盤の上にあり、かつては地震により大きな被害も受けている。標高2240mの盆地にあるため、空気の薄さと世界有数の大気汚染が加わった世界で最も呼吸の困難な街とも言われている。

営業主体

Sistema de Transporte Colectivo
de la Ciudad de México, Metro(STC Metro)

URL:http://www.metro.df.gob.mx

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

巨大な人口、希薄な空気、激しい大気汚染等の問題を抱えていたメキシコ市では、人口の急激な増加が始まった1950年代から、従来の路面電車やバスに代わる新しい大量輸送機関の導入の検討が開始された。
メキシコオリンピックの開催を翌年に控えた1967年6月、フランスの援助を受けて3路線の地下鉄の建設が開始され、1969年9月に市内を東西に結ぶ1号線のZaragoza 〜Chapultepec 間11. 5km(16駅)が最初に開通した。
翌1970年中には、2号線19.4km(11駅)、3号線5.4km(7駅)が開業、その後も着実に建設が進められ、2012 年10 月の12 号線Mixcoac 〜Tláhuac 間24.5km(20駅)の開業により、12路線195駅、226.5kmの現状の路線網が形成された。今後の20年間を目標年としたマスタープランがあり、既存路線の延伸や更なる新規路線の整備が計画されている。
メキシコ市の地下鉄は、建設当初、フランスの援助を受けたため、基本的にパリ地下鉄のシステムを導入しており、全12路線中A号線及び12号線を除く10路線で、ゴムタイヤ方式の車両を採用している。A号線は、Pantitlán 駅以外では他の地下鉄路線と結節しておらず、また、路線の大半が路面上の専用軌道をライトレールタイプの車両が走行するため、建設費抑制の意味もあって、鉄車輪方式の車両、架空線からの電気供給方式が採用された。次に開業したB号線は他路線同様のゴムタイヤ方式に戻ったが、12号線では再び鉄車輪方式となった。
メキシコ市の地下鉄の運賃は、2013年12月に値上げされたものの5メキシコ・ペソ均一で、値上げをしても極めて安いことで有名であるが、これは、車社会からの転換による交通事情や住環境の改善、圧倒的に多い低所得者への対策を踏まえた市、州政府の政策によるものであり、実際のコストとの差額は、政府の補助で賄われている。


鉄車輪方式のA号線電車(La Paz 駅)
提供/秋山芳弘

データ

開通年1969年9月 軌間1435mm
営業キロ226.5km電気方式直流750V
路線数12 集電方式第三軌条、架空線(A号線)
駅数195 運転保安ATO
運行時間5:00~0:30 最小運転間隔1分55秒
運賃制度均一制 列車運転線路右側
輸送人員441万人/日(2012)   

利用方法

運賃

5メキシコ・ペソ均一

乗車券

1回券、ICカード等

旅客案内

スペイン語。路線図、各駅の入り口、ホームには、駅の所在地等にちなんだシンボルが表示されている

その他

標高2240mの世界一の高地を走る地下鉄である

ステーション・ロゴ

メキシコシティでは、1970年ワールドカップ大会で多くの外国人を迎えるため、駅名のかわりにマーク中心のロゴを設定した。Chapultepec 駅はバッタ(駅名が「バッタの丘」という意味)、Balderas 駅は大砲、Isabel la Católica 駅は船など、各駅ごとにテーマが決められ、乗換駅のマークは2色のラインカラーで塗り分けられている。車内路線図もマークの方が文字より大きく表示されている。

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄ビジュアルガイドブック」より

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